2024年12月19日(木) 横浜市立錦台中学校にて開催された職業講話に行ってきました。
当日は中学1年生を対象に開催され、たくさんの企業様が参加されていました。
そのうち、はまっ子を介してご参加いただいた企業様は4社いらっしゃいました。
- 株式会社ニップン横浜工場
- ハウス食品グループ本社株式会社
- 日産神奈川販売株式会社
- 横浜農業協同組合
生徒さんたちは、約10~15名に分かれ各講話を聞きました。
1社目は株式会社ニップン横浜工場の重石様からの講話です。
初めに、同社の商品にどのようなものがあるのかご紹介いただきました。
小麦粉やパスタやソース、ケーキミックス、冷凍食品など幅広く食品を製造している会社になります。
横浜にある小麦粉工場では、月に3万トンの小麦粉を製造しており、日本国内生産の5%を占めています。この工場で作られた小麦粉は日本人の20人に1人が消費しており、170人の従業員が働いています。原料担当が品質管理を徹底しながら、小麦を調達・工場へ配送しているそうです。
設備担当、品質管理担当、物流担当の方々が重要な役割を担っています。設備担当は、工場内の大規模な設備のメンテナンスや業者との工事調整、作業スケジュールの管理を行っています。品質管理担当は、小麦粉の色や灰の量、焼いたパンの膨らみや断面を確認し、品質を徹底的に管理しているそうです。物流担当は、お客様の注文に応じて出荷準備を行い、製品の検品や倉庫内の管理まで幅広い業務を担当しているとのことです。
工場内ではさまざまな役割があり、それぞれの分野に適した従業員の方々が働いています。工場勤務と聞くと肉体労働をイメージしがちですが、実際には化学や製造、ITなど多岐にわたる分野に関わることができる職場でもあります。経験者だけでなく未経験からスタートした方も多く、仕事を通じて技術や知識を身に付けていくそうです。
「どんなことでも勉強になる」という姿勢が大切であり、学び続ける意欲や新しいアイディアを生み出す力、そして仕事への責任感が重要だと語られていました。中学1年生の皆さんには、今のうちからこれらの力を磨き、将来の仕事に活かしてほしいとのことです。
2社目はハウス食品グループ本社株式会社の堀井様からの講話です。
初めに、「製造業」というものづくりを生業とする業種の中でも、食品部門を担う企業であるという説明から講話が始まりました。ハウス食品はさまざまな商品を製造している企業ですが、その中心となるのはレトルトカレーだそうです。
最初に、製品企画部のお話をしていただきました。お客様研究室からの情報をもとに、「辛すぎず甘すぎないカレーを作ろう!」という企画が立ち上がり、入社4年目の松山さんを中心に開発が進められました。松山さんは、子どもの頃に食べたカレーの味が忘れられず、「自分でも作りたい!」という信念のもと入社されたそうです。そこから、たくさんの試行錯誤を重ね、何度も味見を繰り返しながらカレーの味を改良していきました。その試行回数は約3000回にも上り、生徒さんたちはその数字にとても驚いていました。
さらに、製造技術の開発担当者や原料調達担当者、パッケージデザインを考える担当者など、食品会社でありながら、料理好きだけではなく、さまざまな部門で異なる技術や知識が必要であることも教えていただきました。そのため、常に幅広い人材を求めており、生徒のみなさんにはいろいろなことに挑戦して自分の得意なことを見つけてほしいというメッセージをいただきました。
最後に、堀井さんからご自身の会社での過ごし方についてお話を伺いました。なんと、ハウス食品の社員食堂では、必ずカレーライスが提供されるそうです。これは、社員が常にカレーライスに触れ、新しいアイデアを生み出したり、消費者の気持ちを考えたりできるようにするための戦略だそうです。このお話に生徒さんたちはとても興味を持ち、「ぜひハウス食品に就職したい!」という声も上がりました。
貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。
3社目は日産神奈川販売株式会社の礒岡様、松本様、竹井様からの講話です。
最初に自動車業界についての説明があり、現在と30年前の日本における車の台数を比較しながら、目まぐるしく変化してきた業界の歴史に触れました。生徒の皆さんの多くのご家庭で車を所有していることから、内容に対する関心の高さが感じられました。
続いて、同社の強みとして「チームワークでおもてなしをする」といった姿勢が紹介されました。販売店でのやりがいについては、「お客様からの『ありがとう』の言葉や笑顔が何よりの励み」と教えてくださいました。
後半では、SDGsの観点から対話形式で講話が進められました。特に、「日本は世界でCO2の排出量が第5位」という話を聞いたとき、生徒の皆さんが驚いた表情を見せていたのが印象的でした。CO2の排出量削減に向けた取り組みとして、同社が販売する4種類のEV車を紹介してくださいました。それらの車は、単なる移動手段としてだけでなく、防災の観点からも電力を活用できる点が説明されました。
最後に、「見返りを求めずに行動することで、心を整えよう」というお話があり、生徒の皆さんの心に深く響いている様子がうかがえました。
礒岡様、松本様、竹井様、貴重なお話しをありがとうございました。
4社目は横浜農業協同組合の榎本様からの講話です。
最初に「JAとはなんでしょう?」という質問から始まり、生徒の皆さんの関心がぐっと深まった様子が印象的でした。JAと株式会社の違いや、横浜市内におけるJAの役割や期待について対話形式でわかりやすく伝えてくださり、生徒の皆さんからも元気な発言が次々と飛び出しました。
実は横浜市は神奈川県内で最も畑の面積が広く、過去にはキャベツの収穫量が全国10位、小松菜は全国1位になったこともあること、さらには温暖化の影響で南国フルーツの栽培が横浜でも可能になっていることなど、普段なかなか知ることができない情報を教えていただきました。
後半では、JA横浜が展開する多岐にわたる事業の中から、営農事業・販売事業・共済事業・信用事業について主にご紹介いただきました。榎本様は生徒の皆さんの反応に合わせて、丁寧でわかりやすい説明をされていたのがとても印象的でした。
さらに、SDGsの観点からのお話もありました。売ることができない野菜や果物を活用してオリジナル商品を開発・販売する取り組み、それが地産地消にもつながるという説明には、生徒の皆さんも興味深く耳を傾けていました。
最後に、働く意義ややりがいについて「食の安全と供給」「組合員との信頼関係」「地域社会への貢献」と教えていただきました。
榎本様、貴重なお話しをありがとうございました。
今回も各企業の講師の皆様からは、仕事に対する熱い思いや未来の社会人に伝えたいという強い思いを感じる講話をいただきました。それに応えるように、生徒の皆さんも非常に熱心に参加し、充実した時間となりました。
弊社は今後も中学生のキャリア教育を全力でサポートしてまいります。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。